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医学部受験

一日、ひとつ、学ぶ。

中学に上がると同時に、息子は入学説明会の時に校門前で大量に配られていたパンフレットの中の塾の一つに通い始めました。

いただいたパンフレットは膨大な量で、大手のS台やK合塾、知る人ぞ知るT緑会、T進、SEG(伏せ字にならない笑)Gノーブル、H岡などなど、東京にはこんなにたくさん塾があるのかー、と感心するほどでした。

中学に入学したばかりだし、しばらく塾は行かなくていいよね?と私は思っていました。

しかし、実は第一志望に残念だった息子は、この時まだ悔しさを引きずっていたのかもしれません。塾の体験に行ってみたいと言いました。

そこで家から近いS台、算数が大好きだったので数学に定評があるSEG、指定校になっているので興味もありT緑会など、いくつか見学・体験に行きました。

その中の一つが、そのマイナーな塾でした。

こじんまりとしたその塾は、曖昧さを排除し、原理に遡って深く理解することを目指していて、自らの頭を使う場所としての授業を提案していました。

今もそうですが、そこでは入塾前に担当になる講師と直接個別に面談をしていただけます。

私たち親子と面談をしてくださったのは、K田先生という英語の講師。

息子にとって、それは強烈な出会いでした。

30代の男性講師。

細身で背がすらりと高く、お顔は坂口健太郎くんみたいな塩系イケメン。

肩より長い髪はふわふわとしたくせ毛。

深いワイン色に細かい花柄のぴったりとしたシャツを第二ボタンまで開けて、黒いレザーのスリムパンツにスタッズのたくさん入ったブーツを履いていました。

尖った見た目と裏腹に、話し出すと驚くほど穏やかで、小さな子供にも敬意を払いながら、理路整然と淀みなく、ここで学ぶとはどういうことかを説明してくださいました。

先生が発する言葉に、息子がどんどん引き込まれていくのが分かりました。

「一日、ひとつ、学ぶ。

振り返ってみて、一日一つ、成長した

と思えるような毎日を過ごしなさい。」

面接の最中にK田先生がおっしゃったこの言葉は、息子はもちろん、母親の私にも強く印象に残りました。

息子はこの先生に一目惚れして、即入塾を決めました。

その後、受験期に娘も入塾し、姉弟揃ってK田先生にお世話になりました。

聞けば東大法学部を卒業後、東大文学部に入り直し、東大大学院で西洋哲学を専攻し博士号を取られた学者さんでした。

息子は、英語との関わりをK田先生で始められて本当に幸せだったと思います。基礎の部分を緻密に丁寧にK田先生にご指導いただいたお陰で、その後の積み上げが容易になっていると感じているようです。

娘も「私の英語はK田っちが仕上げてくれた。」といまだに言っています。

生徒たちに大人気で、中一から受験期まで多数の授業を受け持っていらっしゃいましたが、息子が中3に上がる時に某公立大の准教授となられ、講師はお辞めになってしまいました。

息子のショックは大きく、もうこの塾に通う意味は無いと言いあっさりと辞めてしまい、お友達がたくさん通っていて、以前から興味があったT緑会に移りました。

心から信頼し、尊敬できる先生との出会いというのは、子供に測り知れない力を与えてくれます。そういった先生との出会いのチャンスを作るのは、親の役目だと思います。学校でも塾でもお稽古ごとでも。そのために親は常にアンテナを張り、労力を惜しんではいけないなと思います。

それから紆余曲折あり、選抜クラスにいたにも関わらず今度はT緑会をあっさりと辞めて、高2の一月から息子はこの塾に出戻りました。

ブランクがあるので内心不安でしたが、

「大学受かったら、俺ここの物理の講師になるから。」

と言うくらいにはハマってくれたようです。

そして、K田先生がお辞めになってからもう何年も経つのに、息子のクラスのテキストはK田先生が作成したものでした。スッキリと簡潔でありながら深い深い理解を促す、K田っち渾身のテキストです。

さあ、またここで、思う存分勉強しておくれ(←祈り)

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