息子の受験真っ只中なわけですが、センターが終わってしまい、私立の一般は出願してあるけれど恐らく受験しないでしょうからあとは国立の二次対策だけで、東進の過去問講座というものを淡々とこなしているらしく、もはや親の出る幕はありません。
娘の時もそうでしたが、私は勉強の仕方そのものについて一切口を出しません。
だって、すごく単純ですが本人が一番分かっているはずだもの。
家では一秒も勉強しないで携帯ばかり弄っている息子ですが、それも自分で選んだやり方なんでしょうと思っています。
結局は本人が納得して行動していなければ、何の意味もないですから。
それよりも毎年この時期に、心臓が縮み、指先が冷えていく感覚まで鮮明に思い出されるのは、数年前の娘の一浪時の受験の日々。
幼稚園から高校までカトリックの女子一貫校に通っていた娘の現役時は、卒業生たちの輝かしい進路実績に、この学園を卒業すれば自分もその仲間入りができるものと信じて疑わず、けれど何の努力もせずにそんなものが手に入るわけもなく、居心地の良い環境でぼんやりと呑気に15年間を過ごした結果、受けた大学を全滅して当然のように浪人しました。
子供の性質により誰にも有効な手段では無いと思うので決して真似はしないで欲しいのですが、私はこの時、娘の受験に対する姿勢を全否定し、逃げ道がない程に追い詰めました。うちの娘にはそれが必要だったからです。
中途半端なプライドばかり育ってそれに見合う努力をせず、目標だけは高く、通っていた塾で周りに追いつけないことを感じ始めると辞めてしまい、自分の位置を知ることが怖く模試も受けずに、でも多分何とかなるんじゃないかな周りのみんなも何とかなりそうだし、という、夢の中にでもいるんですか?状態の娘の目を覚まさせるには、そのくらいの荒療治が必要でした。
この時娘は、全滅という結果だけでも十分にどん底まで落ちていたのに、追い討ちをかけるように私から酷い言葉を浴びせられ、文字通り血の気が引き、そして
「このままじゃ私ホントにやばい」
と胃のあたりからこみ上げるものを感じたそう。
娘が自分自身の情けない姿をしっかりと受け止めた瞬間だったのでしょうね。
もしも息子が今年同じような結果になったとしても、彼は全くタイプが違うので私は同じ方法は使いません。
なので本当に真似しないでね。
「チャンスはあと一回だけ。来年は他学部も受ける覚悟で。
本気で取り組めないようなら、ママはあなたが高卒でも全然構いません。
あなたの良いところをママはたくさん知っているし、何をしていても大好きだし大事に思っているし、進む大学だけであなたの人生が決まるとは思っていないから。
でも、人よりも多くチャンスを与えられても本気で取り組めないなら、あなたはそんなあなた自身を受け入れ、相応の人生を送るべきなんですよ。」
この時私は、本気で取り組むのなら別に何浪したって良い、全力で支えると思っていましたが、今それを伝える時期では無いと判断し敢えてこのように話しました。
医師になりたい気持ちが本当にあるのかが一番重要ですから、何度も確認しました。娘の中でそれだけは揺るがないものだと感じ取れました。
受験期間中から娘の全滅を予測していた私は、医学部に強い予備校を片っ端から調べ上げ資料を請求し、様々な要素を比較検討し娘に合うであろうところをいくつかピックアップしておきました。その中から自分が良いと思うところに決めるように娘に伝えました。
娘は説明会や面談などに参加して、大手ではなく医学部専門の小規模な予備校を選びました。
「私は弱いから、管理してくれるところでやりたいです。すごくお金がかかるけど、浪人でかかる費用は後で返しますので、ここでやらせてください。」
そう言って、主人と私に頭を下げました。
長くなりそうなので続く。